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香取神社で御神酒をいただいた。

クリスマスとお正月、私の年末年始。

フィリピン工場のクリスマス・パーティを終えた後、年末年始は日本に帰りました。
そして、昨日、フィリピンに戻ってきました。

フィリピンではクリスマス商戦が9月頃からスタートします。あたかも他にやることは無いとばかりに早々と開始するのです。そして、12月に入ると皆が浮き足だっているように感じます。クリスマスを如何にして祝うかに知恵とお金を使っているように思います。宗教上の理由だけでは無く、お祭り気分と言うのでしょうか、ビッグ イベントです。
困るのは仕事に身が入っていない人も見受けられるし、クリスマスの後は長期休暇を取り、田舎に帰ったりするからです。もっとも、その光景、事情は日本とて同じです。ですから、この時期、社員と経営者との意識のギャップが顕著になる時でも有ります。働いてもらいたい経営者となるべく長く休みたい社員。フィリピンには法で定められた13か月ボーナスも有りますし、社員にとっては一年で最も楽しいクリスマスですが、経営者は古いダジャレで恐縮ですが「クルシミマス」です。

弊社は少人数ですから、皆の希望を聞いて、工場にビデオケを入れ、お酒と食べ物を用意し、皆でプレゼント交換をすると言う、ささやかなパーティをしました。工場でしたいと言うのは、皆、歌うのが好きで、時間制限が無いほうが都合良いからです。そして皆、歌うのがとても上手です。中には玄人はだしの人もいます。

初詣4

初詣5

2初詣

郷に入れば郷に従えという言葉も有りますが私はクリスチャンでないので冷静に見ていられます。加えて、10月に会社の経費と私自身の全財産が入った財布を無くし、その弁済もしているので、この出費がかさむ時期に厳しい懐事情でした。
御蔭で個人的には2013年のクリスマスは全く地獄でした。ために、いまいち乗れなかった。
それでも、皆が楽しんでいる様子を見ていると嬉しいものです。
皆、ごめんね、今年はみみっちくって。

君たち、もうちょっと頑張って仕事しようよ・・・・。12月の売り上げ、少なすぎ。15日からの一週間の売り上げ、進捗達成率30%。私は寝込みそうだよ。
なんて野暮な事を考えていては駄目なのです。

明日のことは明日考えれば良い・・・・。でもね、つい、考えてしまう私で有りました。
それでも、皆を見ていると、思わず込み上げてくるものも有るのです。
みんな、私の子供たちなのだ。
貴方は第二の父親だ・・・・と言ってくれるスタッフもむいる。
そうだよね、楽しめる時にはエンジョイしなければ。

初詣14

そして、25日の朝、つまり、キリスト様が誕生した日に、私はフィリピンから日本に帰ったのです。
帰れば帰ったで、息つく暇も無く、社員との面談やお取引先の社長さんとお会いしたり、デザイナーさんと打ち合わせしたり、と忙しい。みんな、重要な話し合いです。結果、一日中しゃべっていることになります。

一年の締めくくりは恒例の会社の忘年会。(今年はカメラ係りをやめたので写真は残っていない。)
弊社の専務に促され二次会は三次会まで付き合い、終わってみたら日付もとうに変わった午前3時半。車でしか帰れない私はホテルを取っていたので駅前のホテルにヘベレケ状態で辿りつき爆睡。辿りついた後の記憶は無い。

ん?! そう言えばフィリピンから連れて行って忘年会に参加してもらったフィリピン人社長は何処に?
明け方に思い出し、二日酔いの頭ながら青くなった。二次会のカラオケに一緒に行った後は放ったらかしだった。部屋に電話をしてみれば、御怒りのご様子。客人をそっちのけで飲んでいたわけでして、当然と言えば当然かも知れないのですが、バカは放っておいて寝てくれてたら良かったのに・・・・。心配で眠れなかったと言われても・・・・。ワタシャ、道端ででも寝てしまう人ですからして。そうして2階と10階の住人はうまくもないホテルの朝ごはんをダンマリのまま食べ、F女史の到着を待っていたのです。

F女史はフィリピン滞在経験者で、客人のリクエストであった茨城にある唯一の天然温泉に一緒に行ってくれることになっていました。そして道中、これまた客人ご要望の吉野家の牛丼を御口直し兼ご機嫌直しに一どんぶり。朝からですよ。二日酔いの私にはきつかった。

それにしても温泉は良いな・・・・・。体の芯まで温まる。
客人の四十肩も、あら不思議、動かなかった肩が動く、とたいそうな喜びよう。
ああ、良かった。日本の温泉は凄いね。
(二日酔いもどこかに飛んで行った。ホントは酔っている人は入っちゃダメと書いてあった。)

小一時間、温泉につかって、その後、私は休憩室で隣の男の爆音に似た鼾を物ともせず、しばし大人しく爆睡。
その後、客人をF女史に任せ、私は一旦、自宅に戻って2時間ほど再び爆睡したあと、暗くなった高速道路を飛ばして、彼等を迎えに土浦市まで行き、しばし歓談。帰宅したのは夜の10時を過ぎていた。
お付き合いくださったF女史には感謝の気持ちでいっぱいです。ホントに助かりました。

ジジイ 当年63歳。疲労困憊した身体に鞭打ち、翌朝、4時起きで客人を成田空港まで送り、その後は気力も体力も使い果たしたおかげで「寝年末」「寝正月」。大掃除無し。
(何時ものことではある。)

それでも日課の読書は欠かさず、読みかけの「世紀の名作はこうして作られた」と、天野祐吉さんの「成長から成熟へ」を読んだ。
守谷旅館の女将の料理をいただき、ジジイは炬燵で丸くなっていた。

三日間、動いていたのは目と胃袋だけ。
ジジイは無理しちゃイカンよ・・・・・。もう若くは無いのだから・・・・・と言い訳しつつ、二日間、一歩も外に出なかった。喰っちゃ寝、起きては本を読み、また喰って、また寝て。
お雑煮が美味かったな・・・・・。

それにしても寝そべって、時折、目をやる日本の正月番組の「殺伐」は目を覆うばかりであった。救いは流行っていることも知らなかった「じぇじぇじぇ」。岩手生まれの私としては用法も発音も違うと思い、守谷の女将に講釈を垂れたのだが、
「私に言うな」と一喝され、以後、口をつぐんだ。
久慈と私の田舎は近くて遠い。私の田舎では「じゃじゃじゃ・・・・」なのだ・・・・。
でも、なるほど、何故、人気だったのかが分かった気がした。
「深刻に作ってなかったからだ。」
そうだよな、健気に明るくないとナ。
もっとも、ジジイが明るすぎると塩梅悪いものです。ちょっと無口なほうが分別臭くて良い。私には無理だけど。

そして、正月も二日となり、フィリピンに戻る前日となり、このままではイカンと思い、孫の蒼太郎に会いたかったこともあって、東京に住む息子家族宅に寄り、その足で会社に行って荷造りをし、家に戻って守谷旅館の女将と娘と一緒に初詣。

思い起こせば、二年続けて七福神に行ったのですが我が身の拙さによって御利益も無く、悲惨な二年だったので、今年は、地に足を付けようと反省したわけでもないのですが、ホームタウンにある神社三社を女将と娘と三人で巡ることにしました。
何だか、小学生の絵日記か作文みたいに時系列でどうでもいいことを書き連ねている気がしてきましたが、もう少し、お付き合いください。

今年は何かが違う。
地獄の去年と今年は違うような気にさせる出来事がありました。

初詣6

何と、香取神社に「振る舞い御神酒」が有ったのです。樽酒。
これは新年から縁起が良い。

早速、いただいたのは言うまでもありません。
どなたのお計らいか存じませんが、ありがたや、ありがたや。
七福神を巡ればお札が消える。
今年はお賽銭で振る舞い御神酒に与かったのです。

樽酒を柄杓で掬い、一合マスの口元に塩を置き、まずは一杯。
美味い。
勢いづいた私は二マスを頂戴しました。
「タダ酒」だからと言うことでは決して有りません。昨年の私の苦労をねぎらうかのような「振る舞い酒」です。そうだ。去年の悪夢は忘れよう。
柄杓に三回目の手を伸ばすと、
「これ、我が家の貧乏神 爺さん、御神酒をそんなにがぶがぶ飲むものじゃないよ !」
(そう言えば、昔、取引先に年始回りに行って飲み過ぎて帰ったこともあったな・・・・。)

初詣7

女将と娘に忠告され、渋々と柄杓を蓋に置こうと樽の中を見れば、何と蛾が気持ち良さそうにお酒の海に浮いていた。死んだのか、酔い潰れているのか・・・・。まさか、アッシの化身ではなかろう。
はたまた、私の今年を予言しているのであろうか・・・・・。

「蛾のアルコール標本だ ! 」と洒落のつもりで言うと、間髪もいれず両側からドツかれた。
「ほら、蛾をそのままにしてないで取って捨てなさい。そういうの飲んでもアンタ平気なの?」
「アルコール消毒してて、蛾を食ったわけじゃないし、まだ、御神酒は樽の半分も残っている。こんな人気のないとこにあるまだから、残したらもったいないじゃんか・・・・・。
酒は飲むために有る。ネェー、高田渡さん。

二人に促され、神社の境内を出たら一面の野菜畑。
キャベツ、白菜、大根、ニンジン。ブロッコリー。
空は青。
空気は澄んでいる。
霜がとけて土が靴底にへばりつく。
良い作物を育てるために長い時間を掛けて「土壌」を良くしているのです。
お百姓さんは偉い。
日本の野菜はホントに美味しい。大きさも色も良い。フィリピンに住んで日本の農家の方々の凄さが分かりました。
そうできるまでの努力を私は想像したのでした。
程よく酔いも回って、私はしきりと感心していたのです。

神様には「みんなの健康と会社の繁栄と世界平和」を願った私でしたが、

野菜畑に感動した私は 畑に手を合わせ、
「私も地道に土壌作りに励もう、努力しよう。」
そう誓った2014年の正月でした。

8初詣

デカいのなんの。フィリピンの白菜はチンコイ。四分の一も無いぐらいです。

初詣9

ネギも太いこと。

初詣10

大根も太い。ああ・・・・沢庵づけにする前の干からびたフィリピンの大根を思い出し、これが本当の大根だよ・・・と思いました。

初詣11

キャベツも大きくて硬い。丸々と固くしまっていて、中もパリパリに違いない。

初詣12

埋もれてはいるけれど、ニンジンと思います。違ったら御免なさい。

土を耕さし、手入れしなければ、美味しい作物は育たない、採れない。
人と世と会社も同じに違いない。

パン パン。
気付かせて下さって、ありがとう御座いました。

ちなみに「香取神社」のことを知らなくて、何時ものことながら ウキペディアにお世話になりました。

初詣13

何でも「経津主神(ふつぬしのかみ)」という日本神話に登場する神をまつっているとのこと。
正直、私は全く知りませんでした。
その名の由来に面白い一説があって、
「フツ」は「フツフツ」と沸き上がり「フルイ起す」フツであるとする説

おう・・!  そうですか。
私も奮い立ちたい。
立たなくなって十年あまり、本年は私も復活となれば良いのですが・・・・、
沸々と、ですね。
奮い起こすには強い意志が必要と思いますが、意志は有っても、回路が切れているらしく、脳からの指令が末端まで届かないのです。

香取神社様
奮い起こさずとも、自然と「沸々」と、と言う訳には行きませんでしょうか、ね・・・・?
でも、何だか、香取神社の御神酒で、今年は行けそうな気がしてきました。

もう一つの説に
神名の「フツ」は刀剣で物が断ち切られる様を表し、刀剣の威力を神格化した神とする説。
も有るらしい。革庖丁も刀剣の一種と考えれば、我が生業にも関連がある気がして俄然、私は嬉しくなったのです。神のお導きに違いない。

(布袋様、ごめんなさい。今年は浮気しました。お許し下さい。)


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2014年01月04日 | Comments(0) | Trackback(0) | エッセイ
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